不動産をめぐる冒険

不動産会社設立、その他雑感

-不動産をめぐる福利厚生サービス- 住宅手当と社宅の比較

不動産会社の開業準備をしているkomainuです。

開業準備の一環として、不動産をめぐる福利厚生サービスの考察です。

 

住宅手当と、社宅について概要をまとめましたが、実際に導入運営するときの参考としてどんな違いがあるのか?

「住宅手当」と「借り上げ社宅」

この2つの福利厚生サービスの簡単な比較をしました。

 

比較項目はわかりやすく下記3つ

  • 導入しやすさ
  • 利用しやすさ
  • 継続しやすさ

 

導入しやすさ

住宅手当 = 借り上げ社宅

「住宅手当」も、「借り上げ社宅」も、経営者が会社に導入するぞ!といった場合、容易に社内の福利厚生として導入できます。そして、その手順はいずれも同様です。

 

①「支給基準」と「支給金額」を決める。

②  就業規則に住宅手当or社宅の支給基準を記載する。

③  社内に情報共有する。

 

この支給基準と支給金額について、変更も経営者次第で容易に変更は可能ですが、「住宅手当」や「借り上げ社宅」を導入後の変更は、

手当をあてにして、少し家賃が高めの物件に住んでいたのに・・・

社宅の規定が変わり、契約を法人名義から個人名義に変更しなくては・・・

など、支給対象からもれた従業員は住まいに対して急な対応をとる必要があったり、支給対象のボーダーの社員からの不平不満、社内の基準認知の不一致など諸問題を起こす原因となりますので慎重に変更していく必要があります。


利用しやすさ

 住宅手当 > 借り上げ社宅

利用する従業員の立場からは、「住宅手当」の方が「借り上げ社宅」よりも利用しやすい福利厚生といえます。


住宅手当のステップ

①対象者は希望の賃貸物件を個人名義で契約する。

②手当の対象者は会社に住宅手当の申請をする。

③会社は申請後に対象の従業員の給与に住宅手当をプラスして支給する。

④転居した際は、再度従業員は会社に申請をする。


借り上げ社宅のステップ

①対象者は希望の賃貸物件を会社に申請する。

②会社は申請を受けた物件について入居審査や契約手続きを行なう。

③入居時の精算金などを福利厚生規定に従い、個人負担部分と会社負担部分をそれぞれ精算する。

④賃貸の振込は会社が行ない、社宅使用料を会社は従業員の給与から控除する。

⑤転居の際は、事前に従業員が会社に申請し、会社が退去手続き等を行なう。


契約名義が法人のため、会社側での事務手続きが入居時、退去時それぞれ発生し、物件窓口とのやりとりが複数(従業員•会社の人事担当•総務担当•経理担当)になることで処理が煩雑になります。また、社宅を利用していた社員の退社などがあると、会社側は急な手続きを余儀なく行ない、従業員側もまた、個人名義での賃貸物件を急遽検討することになります。会社は業務負荷軽減のため、社宅代行サービスを導入し手続きをアウトソーシングする事例は増加傾向にあります。


継続しやすさ

住宅手当 < 借り上げ社宅

業種や事業規模によりますが、導入後に同一の福利厚生を継続運営していく点では借り上げ社宅の優っています。住まいの福利厚生を導入検討する企業の一般的な推移としては、【当初は住宅手当 → 後に借り上げ社宅】となります。


中小企業の場合、社内に住まいの福利厚生ニーズが発生した際、導入しやすさから住宅手当として従業員の給与にプラスすることがあります。全社員の昇給ではなく、勤続年数や地方の勤務の従業員など特定人員に対しての手当として住宅手当を導入し、会社と従業員の受給バランスをとります。

導入後数年経過し、当初から住宅手当対象者の全社員における割合が高まることで、コストバランスが社内検討されます。住宅手当は導入しやすい一方で、従業員は所得税社会保険料が増額し、会社もまた法人負担の社会保険料が増額するため、同一金額支給する場合に税金の負担が少ない借り上げ社宅へと福利厚生制度を移行する事例が多くあります。煩雑な事務手続きを行なうことができる社内人員確保や、社宅代行サービスを導入することで事務手続き処理をアウトソーシングし、安定した福利厚生制度として定着していきます。